2025.04.15
心にある耳
キビタキという鳥をご存知だろうか。 春から初夏にかけ飛来する渡り鳥で市街地でも巣を作る。 この時期、キビタキの囀りが響き渡り美しい喉を披露する。 朝の深い春眠を妨げられることも、うたた寝を中断されることもしばしばだ。 キビタキの囀りはとても長い。 レンジでご飯を温め終わってもまだ囀りが続いている。 それは、まるで妙に心に染み入る延々と続くお経のようで はやる気持ちを落ち着かせてくれたりする。 眼を瞑るときれいな景色が見えたりもする。 また延々と説教をされているように感じることもある。 諭すように、叱るように、正座でもして聞かなければいけない気にもなる。 かと思うと弾け飛んで高らかに勝利宣言をしているように聞こえる時もある。 高笑いというやつだ。 ただただ独り言を言っているように聞こえる時もある。 ああすれば良かった。こうすれば良かった。何でもっと考えなかったんだろう。 もう、どうしてこうなってしまうんだろう。とグチにも似た独り言だ。 個体によってそこまで囀りが違うわけもないだろう。 そうなると、聞き手の心情によって聞こえ方が違ってくるという事だ。 気持の持ち様で生き方は変わる。大丈夫。 落ち込んでなんていられない。 気持を前に向けて前進あるのみだ。